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代表医師インタビューINTERVIEW

医療法人社団こころみは、神奈川県川崎市内に4院、東京都内に3院を展開している医療機関です。

開業は2017年4月、スタッフは20~40歳代が中心です。「こころみ(=試み)」というクリニック名のとおり、常に新たな試みに挑戦したいという医療法人について、代表医師の大澤亮太先生にお話を伺いました。

「豊かな社会生活を支える医療」を目指して
– 学生~研修医時代、開業の経緯 –

代表医師インタビュー

― 元住吉こころみクリニックは、一言でいうとどんなクリニックでしょうか?

働いている世代や若い人にアプローチしたいというところから始まっているクリニックです。そのため、「社会生活を支える」ということを一つのテーマにしていました。

― クリニックの診療とは別に、産業医サービスのご提供もされていることからも、大澤先生が働き世代や若年層の方へのアプローチを大切にされていることがうかがえます。現在の考え方やスタイルに至った経緯をぜひ教えてください。

私(=大澤先生)自身はもともと文系で、公認会計士の勉強をしていました。通っていた大学も良いところで、勉強ももちろん楽しかったのですが、就職を意識したときに、文系の仕事は間接的な仕事が多いと感じました。

というのも、当時、医学部の方が勉強している姿を間近に見る機会があり、医者の直接的な仕事の関わり方っていうのがすごく眩しく見えたんです。仕事は人生の大きな時間をかけていきますから、後悔しないように生きたいと思い、医学部を再受験して入りました。

(医者というのは)幸せな仕事だと思います。特に精神科というのは、その人の生き方を変えられたと思う瞬間があるんです。この人が私と会わなかったら、ちょっと違う生き方をしてたんじゃないかとか。

― 「誰かの生き方を変えられる仕事」…聞いているだけで羨ましくなります。

羨ましいですよね。そういう仕事ができるっていうこと自体、恵まれているんだなと思います。

研修医時代は、糖尿病内科がいちばん思い出深いです。糖尿病も行動変容が関わる病気です。その人に対して、治療として薬を出すだけではないところに面白さを感じていました。

転機になったのは、研修の一環で行った大学の保健室です。そこには毎日たくさんの学生が訪れます。「お腹が痛い」とか「だるい」「眠れない」とか。実は、そういった学生の多くがメンタルの悩みを抱えている。

そのときに、(それまでは)医療って基本的におじいちゃん・おばあちゃんを診るイメージでずっとやっていたのですが、こういう(若い)世代の子たちに自分自身が研鑽を深めて、なにか介入できたら社会的な意義が高いだろうと思ったんです。それが自分の中ではすごく斬新で。その時に「産業医!」と閃きました。

― なるほど。だから「産業医」や「若い人への精神医療」なのですね。その後、どのようにしてクリニックを開業されたのでしょうか?

研修のときに産業医の情報を集めたり、産業医の講習会に行ったりしました。精神科の病院の研修にも行きました。

その中で、入院管理の治療ではなくいわゆる「町の臨床」が自分が必要な力だと思い、外来で研修させてくれる医療機関で修業を積みました。そこの理事長の先生がすごくパワフルな方で、研修医時代から毎週、診察後から終電まで家庭教師をしてもらいました。

また、それと並行して産業医活動もやっていました。産業医の世界では、MBA(経営学修士)ホルダーの先生に師事しました。産業医として従業員と会社の間に立って、現実的な落とし所をとっていこうという方針を掲げ、メンタルヘルスケアーの体制づくりのコンサルティングをされている方でした。

精神科病院で精神保健指定医の資格もとりました。入院治療の世界も経験して、精神科医としてのスタンダードも勉強しなければと思ったのです。

さらに、限られた診察時間の中で質を高めていくにはどうしたらよいかを考えていく中では、「医者と学ぶ心のサプリ」というサイトを立ち上げて、勉強を兼ねて医療情報の発信を行っていました。

― 精神科医として毎日診察もこなし猛勉強する傍らで、産業医としても職場で活躍されていたのですね。

そのときに問題意識として思ったのは…町の外来での治療が、入院モデルになりがちであることです。

病院では、統合失調症を中心とした入院患者さんのもとで勉強していくので、管理型の治療になりがちになります。極端な例でいえば、「お薬を飲んでいればよい」というような治療になってしまいます。日常生活でのストレスを抱える患者さんに必要な治療とは、ズレがあるように感じていました。

ちょうどそのころに共有できる先輩方がいて、みなさんで協力して開業していくこととなりました。

一緒にはたらく仲間に求めること
– 理念への共鳴、スタイルは多様に –

代表医師インタビュー

― 「理念型で」というフレーズは、これまでの打ち合わせでも何度か伺い、「理念で繋がる」ことを先生が非常に大事にされていると感じます。

みんなが理念で一致できたらそれが理想ですが、現実的には難しいことはよくわかっています。でも、少なくとも中核のコアメンバーが近しい志を持って同じ方向を向いていかないと、いいモノって作れないじゃないですか。

もちろん、その中の働き方として現実的に、「雰囲気が良いからいます」「給料が良いからいます」「働きやすいからいます」という人がいても全然いいんです。コアメンバーみたいにコミットはできないけれど、「応援したい」「困っていたら助けたい」「できる範囲で役に立ちたい」と支えてくださるスタッフもとても大切です。

そのためにも、私も含めて、患者さんと社会に真に貢献できるモノを作り上げていけるよう、励まなければいけないと思っています。

― 先生は、経営者としてもお医者様としてもきちんと理念を持っていて、なおかつ、そのバランス感覚が素晴らしいですよね。

開業当時の私は未熟なところもたくさんあったし、実際にお金を追いかけざるを得ない時期もありました。経営を通して自分と向き合うことは非常に増えました。その中で、大事にするところの軸をぶらしても幸せではないということに気がつきました。

自分が正しいと思うことを軸にし、それを前提にして事業としての可能性をしっかりと考えるようにしています。多くのスタッフのみなさんのキャリアを背負っているので、数字にもシビアに向き合わなければなりません。

― ついてきてくれる人がいるからこそ、苦しいときにも乗り切ってこられたのだと思います。数字を大切にすることも大切なのですね。

医療者にとって、数字と倫理がぶつかる局面は少なくないです。

そのバランスも難しいことも多いのですが、スタッフのキャリアを充実させていくためにも、「数字」は大切です。

しっかりと収益をあげて必要な医療に投資し、スタッフに還元する形をつくっていくことで、こころみでのキャリアを幸せに感じていただけるようにしたいと考えています。

少し失礼な話かもしれませんが、医者の年収100万あがるよりも、スタッフ10人が10万あがるほうが幸福度は高いと考えています。

現実的なことも大切ですが、やはり人は自身の努力が認められ、そして成長することに幸せや充足を感じます。

ですので当法人では、人事評価制度に力をいれています。

数年後のクリニックの姿
-「こころみ」だからこそ見える景色 –

代表医師インタビュー

― これまでのお話を聞いて、改めて、先生が人と接する仕事が好きなんだということを感じます。

そうですね、日々の診療にやりがいを感じています。お陰様で経営も安定してきたことで、もう少し大きな視点で医療を考えるようになってきました。

私たちの経営理念として、「小医は病を癒し、中医は人を癒し、大医は国を癒す」という言葉を掲げています。私一人の力では限界がありますし、みなで試行錯誤しながら、大医たるような仕事ができたらと思っています。

そうはいっても、私自身は外来診療が好きなんだと改めて実感しています。経営していると様々なストレスがありますが、そんな時に診察していると、患者さんから力をもらって救われたことがたくさんありました。

― 一人でも多く、そんな仲間を増やしていきたいですね。最後の質問になりますが、将来…例えば5年後、このクリニックはどんな場所になっていると想像していますか?

「誰でもできる仕組み」で大きく展開している医療機関もありますが、私たちは医療は「人」が提供するものですから、「人」と向き合っていきたいと考えています。

安心して働ける環境のもとで、当法人にしかない魅力を創っていく必要があります。ですから当法人のクリニックには、コンセプトを重視しています。

たとえば、「心と体をトータルでサポート」する元住吉こころみクリニック、「心の総合的な医療の充実」する武蔵小杉こころみクリニック、「磁気刺激という新しい治療選択肢を」東京横浜TMSクリニックになります。

当法人は、地元のブレーメン通り商店街の協力の下で、新型コロナワクチン集団接種を行い、延べ5万人を超える方にワクチン接種を行いました。

「人」による「人」のための医療事業を追求し、社会のインフラを支える医療機関へと発展させていきたいと考えています。

そのための戦略は現実的に考え、法人としても5つのコア事業を育てています。

ぜひ共感いただけた方に、ご応募いただければ嬉しく思います。

― 大澤先生、どうもありがとうございました。